あけまして、おめでとうございます。
みなさまの会社では、採用活動を組織強化につなげられているでしょうか。
採用難の昨今、その原因が少子化にあるというのはよく見聞きしますが、原因はそれだけではなさそうです。
今回は、日本のミスマッチの現状と解決策を考えます。
日本のスキルミスマッチの深刻さ
イギリスのリサーチ機関HEYS社では、毎年、世界各国の雇用状況を分析しています。
日本の雇用のスキルミスマッチの指標は最悪の10レベルという結果です。
毎年9、10レベルを行き来しており、世界的に見ても最低水準です。
出典:HEYS社(SCORE BY INDICATOR)
参考:HEYS社(HAYS GLOBAL SKILLS INDEX 2018):
http://www.hays-index.com/wp-content/uploads/2018/09/Hays-Global-Skills-Index-2018-Report.pdf
この調査分析を踏まえると、少子化が人材不足の原因と片付けてしまうのは危険かもしれません。
IT分野の雇用ニーズが増加する中、日本では「スキル不足」を理由に、
そのニーズに対して満足に人材供給ができているとはいえません。
ただ、採用活動での人材のスキルの見極めが不十分であることから生じるミスマッチが、
定着の難化や組織力の低下を招いているようなのです。
企業の強化策:人事担当者に必要なものとは?
人材不足の最大要因が少子化であれば、採用ターゲットの枠を広げれば解決できるようにも思えます。
しかし日本では、業種や職種ごとの人材の過不足にバラツキがありますし、
前述したようにミスマッチの確率も高いのです。
たとえ採用候補者の絶対数が増えたとしても、
競争力のある組織としての人材充足度を上げることは難しいままではないでしょうか。
「現場が求める」スキル・人材が何か、経営層は耳を傾けていますか?経営層は、自社に必
要なスキル・人材について、人事担当者に伝える努力をしていますか?
スキルミスマッチを防ぐためには、採用担当者が「自社に必要なスキル・人材」を
正確にイメージできることが重要です。
採用活動の前に、自社で各職種についてのスキルや能力の定義を詳細に整理しておくなど、
組織全体の認識の確度を上げる努力が必要と思われます。
人事評価制度がしっかりとした企業であれば、それを仔細に確認するだけでも効果があるでしょう。
もちろん、専門性が高くなるほど現場を知り尽くす担当者(従業員)へのヒアリングは欠かせません。
その上で、候補者に伝えるべきこと、また自社に入社することのメリットやデメリットを客観的に把握し、
候補者の質問や懸念点に対して十分な説明ができるような準備が必要になるでしょう。
優秀人材との認識一致のための映像活用
職場イメージや必要なスキルや能力について、企業と候補者の認識が一致していなければ、
リアリティ・ショックやスキルミスマッチが起きる可能性が高くなります。
映像などを活用することで、伝わりにくい空気感までを伝えられます。従業員の皆さんが認識している働きやすい環境と、
映像で提供する自社の職場環境の一致を目指すことでマッチングの精度も上げられるのではないでしょうか。
同時に、企業が現場を理解していることや、配慮をしている企業ということも伝わり、
入社意欲を喚起する一策にもなると考えます。
外国人の採用も増えていますが、言葉での説明以上の訴求力も期待できるでしょう。
まとめ
心理的なリアリティ・ショックとともに、スキルミスマッチを低減できなければ、
採用活動は堂々めぐりになってしまうでしょう。
人材を確保できたとしてもスキルが伴わなければ、組織の生産性の維持や成長は期待できません。
従業員の定着するミスマッチのない採用のために、
映像による自社紹介も盛り込まれてみてはいかがでしょうか。