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その昇進で社員は幸せになれるか?自社のキャリアパスや評価に求められる視点

 

各人の定義のもと、多くの人がキャリアアップを望んでいます。

しかし、昇進=幸せなキャリアアップ「ではない」ケースも少なくないようです。

今回は、自社のキャリアパスの仕組みや評価体制を築く際の注意点や、

継続的な組織成長に必要な対策を考えていきたいと思います。

 

職能制が無能人材を増やす?!

 

自社で「長年」活躍し、「実績を積み重ねている」人材が、

より上層のポジションに半ば自動的に配置される職能制。

年功序列で、ポジションによって給与や待遇が決まります。

従来の日本で当たり前だった組織制度に変革の必要性が迫っています。

 

客観的には上層への昇進は「吉事」ですが、本人にとって「苦境」になることがあります。

企業側の配置の失敗ともいえるのですが、原因の一つは「ハロー効果」です。

 

ハロー効果とは、心理学用語です。人を評価する際に、ある顕著な特徴に引きずられ、

他のことも共通するだろうと認識してしまう現象のことです。

 

ハロー効果が、本人のキャパや適性を無視した配置につながり、

そのポジションでは無能な状況を生み出します。

優秀な営業マンが、優秀なマネージャーになるとはいえないというのも少なくない例でしょう。

 

このハロー効果は、評価する企業側だけでなく、本人の過信としても生じることがあるので注意が必要です。

 

組織力低下を招く負のスパイラル

 

上層に昇進した社員は、当然、責任は重くなり、次第に与えられたポジション相応の

「しなければならないこと」に注力、意識するようになります。

しかし、ハロー効果で昇進してしまうと「無理」が生じ、

キャパオーバーで強みを発揮できない環境にはまり、うまくこなせない、回せない状況に陥るのです。

 

昇進後のポジションで望ましい結果を残せない状況は、今度はマイナスのハロー効果を生み出します。

いわゆる「あの人は○○の器ではない」という認識を創り出すのです。

人材が昇進を重ねた末にさらされる「苦境」です。

 

その状況で、高い業績や成果を上げるのは、強みを活かし切っている「苦境にさらされる前」の部下たちです。

しかし、そのような組織では、彼らのその活躍がいずれハロー効果を呼び、

不適切な昇進によって苦境にさらされていきます。

このスパイラルが、ピーターの法則と呼ばれるものです。

 

ハロー効果で昇進する管理職で上層が埋め尽くされた組織の成長は見込めません。

昇進しても責任を果たせなければ、ストレス度が高くなるばかりで、

達成感や充実感とは疎遠になるでしょう。

 

本人も、苦境の上司を目の当たりにする部下たちも、離職に行き着く可能性が高まるのです。

 

経験と能力を無駄にしないために必要な対策とは?

 

職能制のデメリットは、「昇進が正義」という意識が蔓延しやすいことかもしれません。

組織のハロー効果を回避し、ピーターの法則に陥らないためには、

企業と人材双方の自己(自社)認識のもとに、相互理解を図っていくことが重要です。

 

企業は上層ポジションについて、どのような期待をするのか、

具体的にどのような能力やスキルが必要で、どのような仕事をするのかの明示が必要です。

入社前・定着後ともに必須の要素といえます。

 

活躍している人材は、自分に対して「何でもできる」かのような過大評価をしがちになるため、

社員自身の自己認識能力を高める施策も求められます。

強みとともに弱みや限界を認識できることが重要なのです。

 

それにより、双方による本来の評価・選択が実現し、

もっとも最適なポジションで能力を発揮し続けることができるでしょう。

その上で、企業が、昇進の前後で継続的なフォローや教育を提供し、

企業と社員の対話の機会を設けることも大切ではないでしょうか。

理想とする「キャリアアップ」がどのようなものかは人それぞれであり、

時と経験を経るごとに変わることこそが理想ではないでしょうか。

双方がその変化への認識力を高めることが大切になってきます。

 

入社前と入社後だけでなく、定着したあとも常に生じる可能性のある

「理想と現実のギャップ」を埋めるための施策が求められているようです。