緊急事態に備えるBCP(事業継続計画)の策定方法

BCP(事業継続計画)の必要性を認識し、策定を検討されている経営者様や
担当者の方も多いかもしれません。
そこで今回は、実際にBCP(事業継続計画)を策定する手順を6つのステップに分けて解説します。

BCPの方針を決める

はじめに、自社が策定するBCPの目的を明確に掲げましょう。
たとえば、事業の早期復旧や取引先からの信頼性維持といったものです。

緊急事態においては、計画実行が難航することも多々ありますが、
この「方針」がどのような状況でも立ち返る原点となり進捗を促します。

BCPの体制を決める

次に、BCPを実行する際の体制を決めます。
BCP策定の主要メンバーは各部門から選定しましょう。
従業員の指示系統や連絡網なども必要です。
取引先をはじめ、影響の及ぶ関係各所との調整を図る体制も求められます。
具体的な体制を作っておくことは、発災時の適切なリーダーシップの
遂行にも役立つはずです。

BCP対象事業の選定

続いて自社のBCP対象の事業を選定します。
被害に遭い業務がストップすることで、自社の存続を
大きく左右する事業を選定しましょう。
その際に必要とされる重要業務を洗い出すことで、
BCP対策が求められる業務が明らかになります。

また、各種類の発災を想定し、各重要業務について
「復旧期間がX日間(X時間)を超えると企業存続が危うくなる
」という分析をして目標とする復旧時間を割り出しましょう。

BCP策定

ここから実際のBCP策定に入ります。
まず、自社のBCPを緊急事態のどの段階で発動するか
について明確な基準を定めます。
BCP対象事業が「特定の状況(影響の規模)になったとき」を
発動の目安にするのも一手です。

業務遂行に必要なリソースの代替案も検討しておきます。
通常業務とは明らかに異なるBCP発動後の「初期対応」は
しっかりとマニュアル化しておきましょう。

事前対策・社内共有/教育

自社のBCPは策定チームだけが把握していても意味がありません。
内容はすべて文書化し社内で共有、
全社員が内容を理解していることが大事です。
いつでも確認できるようにし、フローごとにわかりやすくまとめます。
従業員に関わりの深い内容については、
実習・研修・教育を実施しておきましょう。

BCPの見直し・再構築

BCPは、常に現状に沿うものでなければなりません。
古い情報を放置することは、BCPの無機能化を意味します。
以下のタイミングでは、とくにブラッシュアップが必要です。
更新頻度を決めておくとよいでしょう。

・緊急事態が収束した後(改善)
・自社のBCP対象事業(中核事業)の変更
・社内の組織編成やシステムの変更後
・取引先や顧客の変動
・国や業界の法律やガイドラインの改訂
・策定メンバーや従業員名簿は常に更新


中核事業だけを取り上げても、分析・チェック、対策する事柄は多岐にわたり、
思いの外膨大な時間と労力を要するでしょう。
頻繁に移り変わる内容も多いため、はじめから完璧を求めずに、
徐々にブラッシュアップしていくスタンスで始めるのが現実的です。