「リアリティショック」社会人経験が長い人にはあまりなじみのない言葉かもしれません。
でもこの「リアリティショック」が、社員の離職や定着を左右するのであれば無関心ではいられません。
今回は、リアリティショックは、誰にどんなギャップをもたらしているのかということと、
原因と対策を考えていきたいと思います。
リアリティショックは誰に起こるものか
リアリティショックとは「思い描いていたイメージと現実のギャップ」を指します。
新入社員であれば、入社前に抱いていた会社のイメージと入社後のギャップということになりますが、
はじめて社会人になった新卒入社組のギャップはかなり大きいと考えるべきでしょう。
「思っていたものと違っていた」ということになれば、当然早期離職の理由に直結してしまいます。
入社3年以内に大卒生で3割、高卒生で4割が退職すると言われていますので、
社会との関わりが薄い層が、より「リアリティギャップ」を感じていると考えられます。
もちろん中途採用組でも同様にリアリティギャップはあり、退職しないまでもモチベーションの低下に繋がり、
仕事の効率低下や周囲への波及といった影響も考えなければなりません。
リアリティショックのギャップの対象
では、どういった内容でリアリティショックを受けるのでしょうか。
代表的なものとしては、仕事の内容、職場の雰囲気、人間関係や自分が思い描いていた
「社会人」に対するイメージなどがあります。
自分が得た評価や待遇が期待値とズレたときもリアリティショックにつながるようです。
また、これまで自分が学んできたことや、周りの人の能力と比較して、
現状の自分の力不足に対して自信やプライドを失うケースや、
上司や先輩の能力が低いことに自分の将来を重ね、不安になるケースもあります。
リアリティショックはなぜ起こるのか?
リアリティショックは、「理想像」や「べき論」から起きてしまいがちのようです。
ビジネス社会をよく知らない学生は、独自に理想を作り上げやすいですし、
真面目な人ほど自分や周囲に浸透した「〇〇であるべき」を持ち、それに従おうとします。
売手市場だということも、入社前に自己評価を高くしてしまう遠因になっているかもしれません。
誰にでも起こり得るリアリティショックへの備え
マイナビの調査(<マイコミ社会人レポート> リアリティショックに関するアンケート)でも、
入社1ヶ月の社員の「リアリティショックを感じた」という回答は6割を超える結果が出ています。
引用文献:https://www.mynavi.jp/news/2008/06/post_55.htm
企業に入社したての頃や新しい部署に配置されてすぐなど、
リアリティショックは、程度の差こそあれ、誰にでも起こり得るものです。
相談できる環境を整えるのはもちろんですが、これも新入社員と既存社員の感じ方にも大きなギャップがあります。
ベテラン、先輩社員から積極的に声かけを行い、孤独感を感じさせないようにフォローすることも必要でしょう。
採用過程で取れる企業のリアリティショック回避策
やはり、入社前に現実に近いイメージを抱いてもらうことでリアリティショックの低減を図ることが大切な課題です。
採用活動の場面において、企業は良いところばかりを強調することがないよう注意する必要があります。
例えば、働く環境を見ることができれば、自分自身が働く姿もイメージしやすくなります。
ありのままを伝えることで、リアリティショックのひとつの要素をが軽減できると考えると、
映像などで働く環境を発信する価値は高いのではないでしょうか。
それがたとえ新しくなくても、おしゃれなオフィスでなくても、求職者に伝える価値は十分にあります。
まとめ
リアリティショックは、人間の内面で起こることなので把握は難しいものです。
良い面ばかりの情報提供では、入社後のリアリティショックを助長する可能性があることを、
企業の人事担当者は認識しておく必要がありそうです。
完全には防げないにせよ、少しでも要素を減らすことは大切です。
また、リアリティショックに対処するにも、回避するにも、日々のコミュニュケーションの如何が鍵となるでしょう。
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