採用活動では、オフィス環境に関する情報提供も有効なアピール要素です。
どう表現するかで、マッチング精度や定着率にも影響を与えます。
ここでは、求人でのファシリティ情報の重要性とポイントをお伝えします。
売り手市場での求職者の視点の変化
少子化や働き方の多様化が進み、日本企業の人手不足は深刻化しています。
売り手市場の続く近年、求職者は「選ばれる立場より選ぶ立場」となる傾向が強くなっています。
思うような人材を採用し、定着させることの難しさにお悩みの採用担当者の方も多いと思います。
その状況下にあって、求職者が企業を選ぶ基準にも変化が見られるようです。
これまでは、企業の経営基盤（安定度）などで選んでいた求職者は、働きやすさも求めるようになっています。
働きやすさの要素にはいろいろありますが、その一つにオフィス環境も含まれるのです。
企業のファシリティの内容はうわべの情報では不足
採用活動では、関心を持ってもらい選ばれる企業となるためのアピールが必要です。
企業情報や求人広告では、ファシリティに関する情報もその要素になり得ます。
たとえば、「新設したばかりで、きれい」「スタイリッシュでおしゃれなデザイン」なども、
無いよりはプラス印象につながるかもしれません。
しかし、これらだけでは、望む採用成果は得にくくなっています。
求職者の企業選定のリテラシーは高度化しています。
きれいで洗練された環境だけでは「働きやすさ」の要素をカバーできないのです。
また、企業側としては、採用時に目を惹くだけでなく、定着させるという視点も大きな課題でしょう。
求職者の選択に委ねてばかりはいられません。
職場環境の記載の重要性と伝わる要素
求人広告や企業情報の発信における、ファシリティー情報の役割をお伝えします。
なぜ、きれいでおしゃれなだけでは採用成果につながりにくいのでしょうか？
業務内容をオフィス環境で伝える
どのようなオフィス環境なのかは、業務スタイルや企業の方針を伝える要素になります。
同じ職種であっても、各業務の詳細を辿ると、何人で、どのような場所で、どのように進めるかについては
企業ごとに異なると思います。
オフィス環境の内容が求職者に、自分が仕事をしている状況をイメージさせるものなのです。
個人の性格や仕事の趣向とのフィット感を見極めてもらうことが大切です。
同時に、企業側から、このような進め方が必要という意向や方針の提示も必要です。
これが一致しないままの採用では、マッチングのズレが生じやすくなってしまうでしょう。
雰囲気をオフィス環境の描写で伝える
企業の雰囲気を伝えるとき「風通しが良い」「フラットな人間関係」などがよく使われます。
ファシリティの描写は、企業の雰囲気そのものを伝える効力があります。
たとえば、外部の出入りが多いのか、集中時間が確保できるか、ミーティングが頻繁に行われるのか、
職場の人たちとのコミュニケーションの取りやすさや可能性などを
オフィスのレイアウトなどから垣間見ることができるのです。
職種や業務によって求められる雰囲気が変わることを認識して発信する必要があるでしょう。
オフィス環境で企業の配慮の度合いが伝わる
業務の特質とオフィス環境がマッチしていることは、採用時にも定着の上でも重要な要素です。
企業には、さまざまな職種と業務があります。
あらゆる職種や業務に対し、満たす要素が多いほど、
社員の働きやすさに注力する企業だということが伝わります。
経営側（企業人事や総務）が、個々の職種や業務の特質をよく理解し、配慮されていることがわかるのです。
採用の難易度が高まっている昨今、情報発信の工夫も必要のようです。
せっかく社員のためにリノベーションや設備導入などの環境整備を行うのであれば、
その思いや意図の伝わる発信にも反映させて、採用効果につなげたいものです。